正常と異常の間

文筆家三浦純平による、思想、政治、映画、笑いなどの感想録

ハンナラ党とウリ党?

 韓国には日本でも名の知られている政党が二つある。ハンナラ党ウリ党である。
 よくよく考えてみると、他国の政党でその意味が判然としないものは、韓国の政党だけではないかとハタと気がついた。
 例えば、まあ、中国共産党とかならまだ当たり前に日本語に訳されるであろうが、フランスの極右政党国民戦線もわざわざ日本語にしているし、何故韓国の政党だけハングルなのだろうか。
 最近ちょっとだけ韓国語をやるようになったため、その背景が何となくわかったのでここに書く次第であります。

 ハンナラ党とは、「韓国党」の意味である。ハン=韓、ナラ=国で、韓国党となる。ウリ党とは、「私たちの党」の意味である。ウリ=私たちで、私たちの党となる。
 Wikiで見てみると、ハンナラ党は「大いなる党」らしいが、まあ、韓国党と同様ナショナリスティックな政党を指している事は間違いない。ウリ党は、正式な党名が「ヨルリン・ウリ党」というらしく、「開かれたわが党」という訳され方がされているものの、「開かれた私たち」という言葉が指し示すのは、リベラルな価値観と太陽政策に見られるような南北合一への期待―つまり民族意識の強調―の二つであろうから、やはりレイシャリズムが反映された政党である。

 僕はこれに関して「ナショナリスティックなモノはいかん」と叫ぶような朝日的な人間ではない。これらの政党に対してはなかなか悪くない名前だと思っているくらいだ。ウリ党に関しては、「みんなの党」を想起させられて、「何とかしろよ」と思ってしまうけれども。

 日本のマスコミは、それこそ朝日的なマスコミは何故今までこれらの政党名をはっきりと訳さなかったか。アメリカの「共和党」や「民主党」を「Republican Party」とか「Democratic Party」とは紹介しないのに、何故韓国の政党のみを訳さなかったのか?

 これはやはり戦後の朝鮮半島への贖罪意識が反映されたものである。一種の自主規制である。なぜなら、フランスに関しては極右政党国民戦線と如何にも忌避感を抱かせるような訳語をちゃんと用意しているからである。韓国のナショナリズムに対してはそういった印象を抱かせないようにしようという印象操作がここにはあるような気がする。

 …ん〜、だから何だと言われればそれまでであるが、ちょっと思ったから書いたのさ。