正常と異常の間

文筆家三浦純平による、思想、政治、映画、笑いなどの感想録

2011-01-01から1年間の記事一覧

西尾幹二『ニーチェとの対話』(講談社現代新書)

評価★★★★★★★☆☆☆ 西尾幹二氏については保守派の重鎮であるという事くらいは知っていた。 また、ドイツ哲学者(ショーペンハウアーなど)の著作を訳したり、「ニーチェ研究者」であるという事―吉本隆明氏がどこかで言っていた事―を知っていた位で彼の著作に目…

愚痴の聞き方

つい先日の事であったが、仕事が終わって僕が帰途についていた時、僕の後方にある若い女性の二人連れが同じ方向に向かって歩いていた。 別段僕には行き違いの人の話を聞く趣味はないものの、同じ速度で二人連れも歩いていたので、彼女達の話が否応もなく聞こ…

ハンナラ党とウリ党?

韓国には日本でも名の知られている政党が二つある。ハンナラ党とウリ党である。 よくよく考えてみると、他国の政党でその意味が判然としないものは、韓国の政党だけではないかとハタと気がついた。 例えば、まあ、中国共産党とかならまだ当たり前に日本語に…

園子音(そのしおん)は退化した①

2010年に観た映画で一番良かったものは何かと言われたら、洋画邦画問わず『愛のむきだし』だったと断言できる。 だが、その後園子音の『ちゃんと伝える』とか『気球クラブ、その後』とかを観たら何ともパッとしなくて、園はこれらの映画をそもそも撮りたかっ…